丹沢山(丹澤山) 特別純米雄町六拾火入 2007BY
焼きまつも、春雨、麩、わけぎの味噌汁 今の時期、日本酒的にはしぼりたてが出回る直前の谷間の季節ということで、何を選ぼうかお店でちょっぴり思案するわけであるが。
小田急螢田駅前にある(車内からもよく見える)「かどや酒店」には「丹沢山」の一連の商品が常時置いてある(ただし「隆」はない)。先日訪ねた際も9月入荷の「秋あがり」が気になったが、純吟規格で値段もちょっとお高いので手が出ず、結局6月入荷(と、プライスカードに記されていた)の本品を買って帰った次第である。1575円。

2007年度醸造で2009年5月製造(壜詰)ということは、蔵で1年寝かせていたということになるか。いや、それはいいんだが以前から気になっていたこと。この4合壜のシリーズ、ラベルの「たんざわさん」の「ざわ」の字が旧字体(澤)なのだが、通常どおり「丹沢山」表記の商品との使い分けがよくわからんわけだ。かくいう私こと「いいざわさん」も、大学時代までは自分の苗字の「ざわ」の字を新字体で書いていたのを大学の先生に「苗字は正しい字体で書いたほうがいいよ」と言われて以降、旧字体を使うようになった次第です。甚だどうでもいいことだが。
さて、ここの蔵のお酒はとにかくお燗が真骨頂だと思うので開栓していきなり常温での味を確かめずに燗。お湯から引き上げるタイミングがちと早すぎたようで、日向燗になってしまったのだが(個人的理想は37℃)。
なかなか、複雑な味わいだ。日本酒度どおりかなり辛く利けるが、米の旨味を強く感じた(一歩間違うと糠臭くなりそう)かと思えば後からフルーティさも頭をもたげるといった次第で、要は手放しで「旨いっ!」とはならなかったわけだ。いやしかし、たいへんよくできたお酒であることは間違いない。開栓後に化けることを期待。
それはそうと、味噌汁である。手許にあり合わせの乾物を放り込んだだけなのだが、非常に素晴らしいコンビネーションとなった。殊に「焼きまつも」。過日宮城県のアンテナショップで貰ってきたものだが、こんなに風味がいいとは。今度どこかで見かけたら買って帰ろう。

このフェンスの向こうに狩川が流れていて、その土手を越えたところに「禁酒」の公園があるわけだ。切ないねぇ。
なお、魔法壜の中身は「白笹鼓 丹沢のひやおろし」。9日前に開栓して以来小出しにして呑んできたが、いちばん旨かったのは開栓直後。それ以降はちょっとセメダインぽさが出てしまった。昨年抱いた印象と同様、燗するよりも冷やして呑むほうが吉だった。
今年の3月まで月イチで某内科医院に通院し、喘息の予防薬「フルタイド」の処方を受けていた。しかし、正直もともとコミュニケーションをとり難いタイプのセンセイだったことに加え(悪い人ではなさそうなんだが)年初に私が体の不調を訴えた際にダラダラと漢方薬を出し続けられた挙句「内科ではわからないから整形外科行って」と言われたことでブチンとなってしまい、3月を最後に通院を止めてしまったのだ。その後は手許に残った「フルタイド」を大事に大事に使ってきたが、昨日ついに終了。折りしも寒波到来で軽症ではあるが気管支が鳴っているし、連休中に症状が悪化でもしたら洒落にならぬ。そこで一念発起(実は慎重に事前リサーチをしていたのだが)新しい内科医院の戸を叩いてみた。
受付のおねえさんにいきなりマスクを渡され「院内では必ずしてください」とスゴまれた(嘘)のにはややたじろいだが、まあこういうご時世なので当然といえば当然か。
1時間は待っただろうか、診察室へ。
よかった、とてもいい先生だった。会話のキャッチボールがしっかりできるし、「気管支の左側だけ音がする」だとか「喘鳴のあるときは呼吸が浅くなっているから、深呼吸をすると良い」などのアドバイスも初めていただいたと思う。もちろん「フルタイド」も処方してもらえた。ここなら長い付き合いができそうだ。
私が小田原を生活の拠点に構えてからかれこれ5年半、内科に通うのはこれで4院目(市立病院を含む)である。まあ立派な“ドクター・ショッパー”と言えよう。ドクター・ショッピングに関しては否定的な見解を示す人が多いが、私は必ずしも悪いとは思わないのですよね。診断結果云々に一喜一憂して次々と違う医師の門を叩くのは人間の性(さが)だと思うし、それ以前の問題として、コミュニケーションをとり難い医師が本当に多いのだ(いやこの点、患者側に一切非がないと主張するつもりはない。我々も医師とのコミュニケーション術を身に着けないと)。この点私の経験上痛感してきたし、昨年亡くなった私の母も、きちんと医師とコミュニケーションをとれていれば病巣を早期発見でき、今でも健在でいられたのではなかったかという思いが頭をよぎる。
しかし、この国には医療過疎の地域が多数存在するのも事実、医師を選ぶことなどできない方が沢山いるのだろう。その点小田原という町は長い歴史があるから(創業500年の薬屋さん―ういろう―もあるくらいだし)医療機関の選択肢は多数存在するのである。先人に感謝せねばなるまい。